【よくいただく質問】米国401K等の帰国後の取扱いについて
アメリカで長年働いていた方が、日本に帰国した後、アメリカの年金を受け取るケースについてよく相談を受けます。今回は、この場合の税金の取り扱いについて分かりやすく説明します。
1. 納税義務者の区分
日本に住んでいる人は、多くの場合、日本の税金のルールでは「居住者」として扱われます。
居住者とは、日本に住んでいるか、1年以上日本に住んでいる人のことです。そして、居住者には次の2つのタイプがあります。
非永住者以外の居住者
日本と海外のどちらで得たお金も、すべて日本で税金を払う必要があります。ほとんどの人がこのタイプです。
非永住者
日本国籍がなく、過去10年間に日本に住んでいた期間が5年以下の人が該当します。非永住者は、海外で得たお金について、日本で使ったり送金しなければ税金がかかりません。
2. アメリカの年金が国内源泉所得になるかどうか
① 日本の所得税法
居住者のうち、非永住者以外の人は、海外の年金を含むすべての収入に税金がかかります。一方、非永住者は、海外の年金でも日本に送金しない限り税金はかかりません。ただし、このルールは「日米租税条約」で変わることがあります。
② 日米租税条約のルール
年金の種類によって、課税される場所が変わります。
アメリカの公的年金や私的年金(例: IRAや401k)
日米租税条約では、こうした年金は居住国で課税されると決められています。つまり、日本に住んでいる場合、日本で税金を払う必要があります。この場合、確定申告をする際に一時金として取得した部分は「一時所得」年期として取得した部分は「雑所得(公的年金等)」として申告します。
アメリカの公務に基づく年金(例: 米軍や市役所で働いていた場合の年金)
これらは、日米租税条約によりアメリカでのみ課税されると決められています。日本で税金を払う必要はないため、確定申告も不要です。
注意点
日米にまたがる税金のルールは複雑で、個々の状況によって変わることがあります。また、今回は日本でのルールについて説明しましたが、アメリカでの税金の取り扱いも同時に確認する必要があります。
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